第十五回 最終回!

 これはRZ高校のA氏が企画立案、プロデュースし、9696動画に投稿された作品である。
 作品を再生すれば、真っ白の画面に運命と達筆な手書き文字が書かれた青い男性用マークとネタ帳の絵、パイナップルの絵、目だけ黒くした某ラノベキャラが映し出された。
 しばらくするとアップテンポの明るい曲が流れ始め、音源を示すかのように各イラストの上には文字が記されていく。

 そして、パイナップルの絵の上に「なんと!」という文字が書かれ、それは始まった。



【ラジオ・残メンカルテット(第十五回)】


運命厨(以下森)「なんと?」

パイン(以下宮)「なんと……!!」

ラノベ(以下黛)「なんと?」

ネタ帳(以下月)「なんと、ナンと……」

宮「ラジオ・残メンカルテット、今回で最終回だ……っ!!!!!」

黛「ナンダッテー」

森「え、えっ、まじで」

月「なんとこのカレー、ナンとセット!」

森「なんだって?!」

月「キタコレ!!!!」

森「なんだ、ネタ帳のダジャレか」

宮「遊んでんじゃねーよ!轢くぞ!」

森「スイマセン」
月「スイマセン」

黛「……つまり休載後、第二部の第一話が始まった途端に連載終了みたいな、そんな感じなのか」

宮「そうそう、そんな感じ」

黛「ってことは連載終了して数年後に番外編を書く、みたいなそういう感じか」

宮「それはなんか違う」

森「とにもかくにも今回で最終回なんだろ。突然の最終回なんだろ!なんで本番前に言ってくれなかったんだよ!全く露ほども心の準備が出来てなかったから今オレ心臓ばっくばくなんだけど!!!!」

月「確かに突然でしたもんね」

森「あ、まさか、ドッキリとか……?」

宮「ちげーよ」

黛「そんな訳でタイトルコール」

宮「せーのっ」


全『ラジオ・残メンカルテット!!』

月「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りします」


森「納得出来ない部分は多々あるが、仕方ない。大人の事情とやらで片付けるか」

黛「妥当な判断だな」

月「ではでは、最終回ということで今回はこんな企画を用意してみました!『思い出の残カル〜あんなことこんなことあったよね2017・秋〜』ーっ!!」

宮「は?」

森「えー、ラジオ・残メンカルテット全十四回を振り返りながら、あんな楽しいことあったよねーこんな嬉しいことあったよねーとボーイズトークしようぜ!という企画だ」

黛「……(うわ、めんどくせ)」

月「パインさんは何かありますか?」

宮「ないけど」

月「えっ?!!!」

森「いやいやいやいやいやいや!!」

宮「あれだろ、なんか楽しかった思い出とか嬉しかった思い出とか言えってんだろ」

月「そうですそうです」

宮「ないけど」

森「えーっ?!!!パインさー、最後くらい盛大にデレてもよくない?!」

宮「人をツンデレみてーに言うなよ」

黛「ツンデレだろ」

宮「あ?」

黛「もしくはツンギレ」

宮「なにこれ。ケンカ売られてる?」

月「どうどう!パインさん落ち着いて!」

森「ふふんっ、全くもってしょうがない奴らだな。そんなにすぐキレていると、オレのような落ち着いたナイスイケメンにはなれないぞっ!」

黛「なんか腹立つんで止めて貰えます?」

森「他人行儀良くない!!!」

宮「運命厨はほっといて」

森「最後なのにオレの扱い雑だな!」

宮「ネタ帳は何かあるか?」

月「オレですか?!んー、そうですねー……誕生日毎の顔面ケーキとか公開録音の時にやらされたサランラップキスとか、ブースいっぱいに広がる、くさやのにおい、とか……」

黛「…………」

森「……いや、それ」

宮「苦い思い出じゃね……?」



+++



「おいしいきりたんぽ、あります」
「YS高校」


「全てに勝つAグループは全て正しい」
「Aグループです」



+++



宮「よーく分かった。この番組がどれだけ無茶振りしてきたのかよーく分かった!」

森「無茶振りっていうか、必然的なハプニングっていうか……」

黛「薄っぺらいコピー用紙一枚の台本なんだからハプニングが起きて当たり前だ」

月「あああでもでもそういうハプニングが楽しかったですよね!次は何が起こるんだろうって、予測出来なさ過ぎて!」

宮「フォローになってねーよ」

月「あうっ」

森「つか女の子ゲストが一人も来てないのが不満で仕方ないんだが!オレは可愛い女の子ときゃいきゃいしたかったぞ!」

黛「えっ、来ただろ」

森「え」

黛「オレのとこのオネェが」

森「おま、それ、心は乙女じゃん……」

宮「何も間違ってなくね?」

黛「なー」

宮「なー」

森「ああそうだよな!お前らってそういうヤツだよな!!」

月「……えっと、ラノベさんは?」

黛「ん?」

月「楽しかった思い出とかあります?」

黛「ない」

宮「だよな」

月「ううっ、企画倒れになるので『ない』という回答は却下しますっ!」

黛「えー……」

森「すっごい不満そうだな」

黛「だって、オレ、パインの傍若無人な振る舞いぐらいしか覚えてねーし」

宮「オレがなんだって?」

黛「ほらー。そういう威圧的な笑顔が嫌なんだって気付けよ。パイン、コワーイ」

森「おい棒読み」

宮「はっはー、タ〇ンページの角で殴ってやろうか?あ?」

黛「やれるも……っつう!!」

月「あ」

森「ほんとに殴った」

宮「はっ、ざまぁ」

黛「……オレのパス、受けてみないか?」

宮「あ?なに……うぶっ!!」

森「わあ、見事な顔面ケーキ。ん?でもなんで誕生日ケーキがここに?」

月「今月はオレの誕生日があるんです」

森「あー、そういうことか」

黛「これで喧嘩両成敗だ」

宮「オレのが断然ダメージでけーわ!轢くぞ!いつもの軽トラのミニカーで轢くぞ!!全力の力を持って!!」

黛「おい止めろ!頭は止めろ!ハゲる!」

宮「ハゲろ!!!!!!!!!」

黛「いやだ!!!!!!!!!」

森「ちょっ、落ち着けパイン!!ラノベもっ!!」

月「ここで暴れないでくださいいいいっ」


【パインが落ち着くまでしばらくお待ち下さい】


宮「最後の最後までお騒がせして申し訳ゴサイマセン」

黛「……オレとパインは、仲良シデス」

森「面白いくらい片言だ」

月「えーと、ここでZN(残メンネーム)・おは朝は神の信託さんの今日のラッキーアイテム紹介です。なんとおは朝は神の信託さん、第一回から最終回までラッキーアイテム報告を送り続けてくれました!ありがとうございます!」

宮「マジかよ皆勤かよ」

黛「お前の後輩どうなってんの」

宮「知らね」

森「で、今日のラッキーアイテムは?」

月「…………『タウンペ〇ジ』です」

宮「ん?」

黛「ん?」

森「ん?」

月「『タウンペー〇』です」

宮「んんっ?」

黛「まさか、オレを殴ったあれは……」

森「ラッキーアイテム?」

月「はい、その通りです。なんでも先輩にラッキーアイテムである『〇ウンページ』を配ると更に運気が上がるとか」

黛「うわーなにそれうわー」

森「おは朝こえー!」

月「と、おは朝に戦々恐々としたところでとうとうエンディングです」

宮「企画はもういいのか?」

月「皆さん真面目に答えてくれないので……真面目なマジン〇ーZ、キタコレ」

森「……」

宮「……」

黛「……」

森「えー、最後に総評でも言い合うか」

月「スルーよくない」

宮「総評なー。これといった思い出は全くねーけど、楽しかったんじゃねーの。十五回も続くぐらいだしよ。まあ、こいつらとだべってんのは悪くなかったぜ」

黛「デレた」

森「デレたな」

月「デレましたね」

宮「うるせー!そういうお前はどうなんだよラノベ!」

黛「オレか?そうだな……確かにパインの言う通り、お前らと話すのは悪くなかった。影の薄さに定評のあるオレが、ここまで認知されたのもある意味こいつらのおかげかもな。感謝は、してやらなくもない」

森「デレてる」

月「デレてますね」

宮「デレてんな」

黛「パインにだけは言われたくない。運命厨はどうだ?」

森「そりゃあ、ここまで続けられたのは楽しかった証拠だよな。番組内の思い出云々は別として、お前らと話すのは全然苦にならなかった訳だし。ただな!ただ、オレの扱い、酷くないか?!オレいっつも貧乏くじ引かされた記憶しかないんだけど!」

宮「気のせいだ」

黛「気のせいじゃないか」

月「気のせいですよ、たぶん」

森「ううっ、ネタ帳まで…!」

宮「泣くなよ。鬱陶しいから」

森「泣いてねーし!で、ネタ帳はどうだったんだ?」

月「えっと、最初はオレだけ年下だったから少なからず不安もあったんですけど、皆さんが優しく接してくれたのでなんとかやってこれました。本当に毎回毎回楽しくて、もっとたくさんいろいろな話をしたかったです。ありがとうございました!あ、でも、この番組が終わっても仲良くして欲しいかなって思います。これからもよろしくお願いしますね!……ハッ、最終回に合わせて、貝を採集かい?キタコレ!」

宮「ダジャレがなければな」

黛「良かったのにな」

森「ほんとにな」

月「いいじゃないですかダジャレ!」

宮「たぶんお前だけだよ。ここまでダジャレをリスペクトしてんのは」

月「どやー!!」

黛「おい、パイン。ネタ帳がタウ〇ページの角で殴って欲しいらしいぜ」

宮「なんだって?」

月「嫌です!嫌です!!なんでもないです!!パインさんタ〇ンページ離して!」

森「そうこうしているうちに本当に終わっちまうぞ。お前ら、何か言っておきたいこととか言い忘れたこととかあるか?」

月「ダジャレ!」

黛「オススメのラノベ紹介」

宮「みゆみゆのニューシングル紹介」

森「欲望に忠実過ぎやしないか……?ちなみにオレはリスナーの可愛い女の子達への愛のメッセージかなっ」

宮「お前も充分に欲望に忠実じゃねーか」

黛「つか、運命厨のが一番時間の無駄な気がする」

森「最後までブレないな」

月「ブレないブレザー!キタコレ!」

宮「どさくさ紛れにダジャレぶっこんでんじゃねーよ!!」

黛「という訳で、感想や各コーナーへのメッセージを送ってくれて感謝している。またこういう機会があれば、送って欲しい」

全『たくさんのメッセージ、本当にありがとうございました!』

月「ラジオ・残メンカルテット、最終回のお相手は」

宮「みゆみゆ命・パインと」

森「女の子命・運命厨と」

黛「二次元命・ラノベと」

月「ダジャレ命・ネタ帳でした」


全『また会う日まで元気でな!』


森「この放送はAグループ、その他のスポンサーの提供で送りしました」


\うわー、終わったー/
\お疲れ様でした/
\ラノベ。後番何か知ってるか?/
\さあ、知らない/




 こうして四つのイラストが描かれた真っ白な画面は黒い画面に切り替わり、停止した。
 どうやら放送は終わったようだ。
 そして、このハチャメチャラジオは今回で幕を閉じたのであった。

完...






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