※オリジナルの子ども出てきますので苦手な方はご注意を
※R指定するほどでも無い気がするけど夫婦の会話があります






せいなのぱぱはさっかーせんしゅでとってもやさしいです。いつもせいなのすきなおかしをかってくれたりします。ままはとってもおりょうりがじょうずでしっかりものです。ままのはんばーぐがいちばんすきです。ままがねるまえにいつもえほんをよんでくれるのがとってもうれしいです。だからせいなはぱぱとままがせいなのぱぱとままでほんとうによかったなとおもいました。ぱぱとままがせかいでいちばんだいすきです。



お姫様は夢のなか



「星名の作文、可愛かったね」

雑誌を読んでいたヒロトが顔を上げクスクスと笑った。
彼の前にコーヒーカップを置いて玲名もソファに腰を掛ける。

「お前が来たこと、喜んでたぞ」
「そっか。良かった、今日休みがとれて」

ぱさり、と雑誌をテーブルに置くとヒロトはカップを手に取り口を付けた。

今日は一人娘、星名の幼稚園での参観日だったのだが「おとうさんとおかあさんへのありがとうのきもち」ということで、子どもたちが一人ずつ両親に向けた作文を読んでいった。なかなか感動的なもので、ヒロトなんてその場で泣きだしそうな勢いだった。

「星名も四歳だもんね。早いなあ。この前よりちょっと背も伸びた気がするよ」
「そうか?毎日一緒に居るとあまり分からないが」
「俺も毎日一緒に居たい・・・」

わざとらしくシクシクと泣きまねをしてみせる。ヒロトの職業上、遠征なども多いため毎日一緒に居れない。しかしその分テレビ電話で毎日の電話は欠かしはしないが。

「毎日ずっと一緒も大変なんだぞ。さっきも寝かしつけるのに本を三冊も読まされた」
「ご苦労様。俺が読むって言ったんだけど拒否されちゃったよ」
「お前はへたくそだからな」
「えー酷いなあ」

星名の最近のお気に入りはお姫様が主役の童話だ。シンデレラに白雪姫、美女と野獣にとあの子の絵本ボックスもそろそろ一杯になりそうだった。

「ねえ玲名」

テーブルの上にコト、とカップを置きながらヒロトはにっこりと微笑む。その顔は何か企んでいるのは明白で玲名は無意識に身構えた。

「・・・何だ」
「星名もさ、もう四歳でしょ?そろそろ欲しくない?」
「何の話だ。おい、その手を退けろ」
「んー?やだなあ。二人目、の話だよ」

いとも簡単にソファの上に押し倒される。いつからこんなにも力でヒロトに敵わなくなったのだろうか。

「星名も弟か妹が欲しいと思うんだよね。俺も欲しい」
「・・・急だな」
「最近ご無沙汰だったなあというのもあるんだけど」
「主にそっちだろう」
「まあそうですね」

確かに最近ヒロトに構って無かった気はするが、だからと言ってリビングで押し倒される筋合いは無い。さてこの男をどうしたものか、と溜め息をついた時だった。

ガチャ。

「っ!!」
「え、うわあっ!」

リビングの扉が開く音が耳に届く。
その瞬間に覆いかぶさっていたヒロトを思いっきり押しのけた。バランスを崩した彼は大きな音を立て絨毯の上に頭から落ちてしまったがしょうがない。

「・・・ぱぱ?どうしたの?だいじょうぶ?」
「いや・・・うん、大丈夫だよ・・・」
「どうしたんだ、星名」

ふわふわのティディベアを片手に持ちながら愛娘がきょとんとした顔でこちらを見ている。先ほど寝かしつけたはずなのだが、起きてきてしまったらしい。

「あのね。こわいゆめ、みたの。・・・ひとりやだ」
「そうか。また寝るまで本を読むか?」
「でもせいながねたらまま、いなくなる?」

ぎゅうっと不安そうにティディベアを抱きしめる。星名がそう言うのは珍しい。

「じゃあさ、星名。今日はパパとママと一緒に寝ようか」

起きあがったヒロトがそう言うと星名は嬉しそうにピョンッと跳ねた。

「ほんとう?ほんとう?うわーい!いっしょがいい!」

先ほどの泣きそうな顔と打って変わり、満面の笑みで服の裾をぎゅっと引っ張ってくる。
星名には幼い頃からきちんと自立出来るように一人部屋を用意しているのだが、本当にヒロトは娘に弱いというか、甘いというか。

「せいな、ぱぱとままのまんなかね。はやくはやく」
「じゃあ、用意するまで此処で待っていてくれ」
「うん!」

ポスン、とソファに腰掛け足をバタバタと動かす動きが可愛らしい。
就寝の準備をする前にコップを洗ってしまおうと玲名はキッチンへ向かう。キュッと蛇口を捻ると直ぐ後ろからヒロトが小声で話し掛けてきた。

「ああ、残念」
「残念そうな顔に見えないがな」
「だって星名と一緒に寝るの久しぶりだし。あ、もしかしてその気になってくれてた?星名がちゃんと寝た後でも俺は構わないけど?」
「殴るぞ、全力で」

食器を洗う手を止め、玲名はヒロトを睨みあげる。その顔にビクリ、とヒロトは肩を揺らした。

「・・・嘘です。ねえ最近さ、玲名、俺に冷たくない?」
「気のせいだろ」
「結婚五年目にもなると夫婦の愛も薄れるのかな・・・」
「だから、気のせいだと言ってる」
「うう、悲しい・・・」

大きく悲観的な溜め息をつくヒロトの隣で玲名もまた溜め息をつく。
食器を洗い終えリビングをチラリと一瞥するが、娘はティディベアに話し掛けながら遊ぶのに夢中のようだ。

「・・・おい、ヒロト」

何?、としょぼくれた彼がこちらを向くのと同時に踵をグッと上げる。
驚くヒロトの唇に、玲名はそっと口付けた。

「二人目、はまた今度だ」

相変わらずこの行為でさえも羞恥心は拭えない。玲名は頬をほんのり赤らめ、ぷいっと顔を横に背けた。

「・・・幸せ」

ヘラリ、とヒロトは言葉通り幸せそうに笑う。

「ぱぱーままー。まだー?」

タイミング良く星名の声がキッチンまで届いた。
二人して慌てて返事をする。

「もうーはやくねようよ」
「ごめんごめん。おいで、抱っこしてあげるから」
「ままもおてて、ぎゅってして。いっしょにいこう」
「ああ、行こうか」

差し出された手をぎゅっと握ると星名はふにゃりと笑った。その幸せそうな顔がヒロトそっくりで玲名は口元を緩める。
寝室につく頃にはヒロトの腕のなかで小さな寝息が聞こえていた。

「もう寝ちゃった」
「元々眠かったんだろう」
「可愛いなあ。天使みたい」

そっとベッドの上に寝かせ、毛布を掛ける。すやすやと眠るあどけない表情は我が娘ながら本当に天使のようだ。

「さて、俺たちも寝ようか」
「ん、おやすみ」

隣の温かい体温に誘われて、トロリと睡魔が襲ってくる。
小さなこの子が幸せな夢を見ていたら良いと、そう思いながら玲名はゆっくりと瞼を閉じた。





せいなのぱぱとままはときどきけんかします。ままがこわいかおになってぱぱをおこります。そのときせいなはとってもかなしいきもちになるけど、すぐになかよしになるのでだいじょうぶです。ぱぱとままがほんとうはなかよしさんってせいなはちゃあんとしっています。せいなもぱぱみたいにやさしいひととけっこんしておひめさまになるのがゆめです。ままみたいにおりょうりもじょうずになりたいなあ。




(お姫様は夢のなか)
幸せはいつも隣に





※リクエストありがとうございました!育児・・・になってますでしょうか^^;ヒロ玲ちゃんは何年たっても新婚さんのようで、でも熟年夫婦のようだったら良いなとゆかりは思うのです!すてきなリクエストありがとうございました*^O^*

11.09.09



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