※現代設定

席替えという名の転機。









年齢ってのは卑怯だ。子供とか大人とか、簡単に分けやがる。

もう子供じゃないんだからって言われるときはいつまでも子供でいたいと思うし、背伸びしてんじゃないって言われたら大人になりたいと願う。夏になれば暑がり、冬になれば寒がりってのと一緒だ。要するに時と場に応じて使い分けたい。



これを世間では、我侭と呼ぶらしい。

腐りきってる、何もかも。



世界に絶望する。世の中に落胆する。これらはいけないことなのか。でも仕方ないことなんだと俺は受け取る。だって俺の日常は、腐りきってるんだから。

「勘弁!」
「………」
「窓際の一番後ろ。そう簡単に渡すわけねえだろ?」

席替えをした。腐った学校の腐ったクラスの腐った担任が言い出したこと。久方ぶりに学校へと足を運んでみれば、面倒なことを言い出しやがって。狙ってやったのかと思ったが、前々から口にしていたことらしい。どおりで今日のクラスは雰囲気が違うと感じたわけか。

「退けよ金髪。邪魔だ」
「おいおいここはオイラの席だぜ?何で退かなきゃならねえんだ、うん」
「…お前俺が誰だか知ってんのか?」
「知らない。転校生?」
「殴られてえようだな」

癖と呼ぶべきかわからないが、俺は言葉より暴力が先に出る。クラスの女子のキャーなんて悲鳴が背後から聞こえる。そうか、お前らは殴り合いを見慣れていないんだっけ。まあコイツとなら、殴り“合う”ことにはなりそうにないが。

「いきなり手ぇ出すなよ!危ねえヤローだな!うん!」
「てめっ…」
「はっ!そんなにこの席が好きなんだな、うん。でもわかるぜその気持ち。ここは教室のいわば天国だ!けどな、ここはオイラの席だ。あみだでオイラが勝ち取ったんだ!だからこの席は譲れない!悪いが諦めてくれ、うん。てか譲るとか無理絶対ヤダ」

驚く。目の前にいる金髪のバカさ加減に。そしてそんなバカに、いとも簡単に拳を止められてしまったことに。

「ふざけやがってッ」
「おっと!喧嘩はよそうぜ、うん。オイラ只でさえこの髪色で目ぇつけられてんだから」
「ンなこと知るかよ。先に売ってきたのはてめえだろーが」
「それよりまずはお互い自己紹介だ、うん。オイラデイダラ、あんたは?」
「黙れ」

振り上げた足に感触はない。瞬時に奴は屈み、そのまま俺の背後にまわる。振り返るのと同時にまた蹴りを入れたが、これまた感触はなかった。

「お前、喧嘩慣れしてんだろ?」
「そう感じんの?」
「俺が聞いてんだ」
「オイラも質問したはずなんだけど」
「………サソリだ」
「そっか。宜しくな、赤砂のサソリさん」
「てめえ…最初っから、」

赤砂のサソリ。誰かがつけた、俺のキャッチフレーズみたいなもの。

「あ!待って!喧嘩の前に一言言わせてくれ、うん」
「?」
「この席はオイラのもんだ!」


嗚呼、とにかく一発殴りたい。









絶対ヤダ(窓際一番後ろの戦い)(思えばそれが俺らの出会い)






07.絶対ヤダ!

終始旦那の語りで書いてみました。そして意味わかんなくなってしまいました。最初の方は書いてて楽しかったのにだんだん飽きてきましてこんな終わり方になってしまった。「窓際一番後ろの戦い」は歴史上の戦いのように読んでやって下さい(笑)ここまで読んで下さりありがとうございます^^




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テーマ「人外ファンタジー」
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