喧嘩をした。









アイツとはよくあることだ。一瞬とか永久とかヒルコが怖いとか髷がうぜえとか昨日わざとオイラに攻撃しただろとか相変わらず行動が遅ェんだよとか。まあとりあえずこの喧嘩がくだらねえってことだけは確かだ。

「じゃあ早く謝ってこい」
「無理」
「お前は子供か?」
「どう見ても子供だろ」
「そうじゃない中身だ」
「中身は大人だぜ?何でも知ってるぜ?」
「下らない知識だけは身に付けたみたいだな」
「そういえばリーダーと小南ってどんなプレイするんだ?」
「おまっ…いいからデイダラに謝ってこい」
「アイツが悪い。だからアイツが謝るのが道理だ」

サソリの旦那はツンデレだぜ!とついこの間デイダラが言っていたことをペインは思い出す。そのとおりだデイダラ。この美中年はツンデレで、しかも変態だ。

「じゃあ謝られてこい」
「アイツが俺の所に来ればいい」
「これからお前ら任務だぞ?」
「らしいな」
「とにかく行ってこい。任務に私情を挟むな」
「………くそりーだー」

子供のような捨て台詞を吐いて部屋から出ていくサソリ。ペインはその後ろ姿を眺めながら優しく微笑んだ。









「デイダラ」
「オイラ謝んねえ、うん」
「気が合うな。俺もだ」
「………」
「そんなトビ見るみてえな目で俺を見るんじゃねえ」

あのあとサソリはリーダーの命令どおりデイダラの自室を訪れていた。デイダラの横に腰を下ろすと、彼は見るからに嫌そうな顔する。

「これから任務だ」
「わかってる」
「準備しろよ」
「うん」
「………」
「………」
「何か喋れよ」
「喋ったら旦那はすぐうるせえって言うじゃんか。だからオイラ喋んない。これからはクールでいくって決めたんだ、うん」

デイダラは髷を揺らしながらぷいっとサソリとは逆方向を向いてしまう。その態度にぶん殴りたくなったサソリだが、残念ながらこれから任務が待っている。喧嘩している場合ではない。

「デイダラ、こっち向け」
「………」
「こっち向け」
「………」
「でーだら」
「………」
「そぉらあ!こっち向きやがれこのクソ餓鬼が!!!」
「ぬわあっ!?」

髷を力任せに引っ張りもう片方の手で顎を掴み上げる。いきなりのサソリの行動にデイダラは驚きを隠せない。

「なっ何すんだよ!」
「任務だっつってんだろ、ああ?いつまでも拗ねてんじゃねえよお前が拗ねても全然可愛くねえんだよ」
「別にオイラ可愛さ狙って拗ねてたわけじゃねえし!」
「嘘だな。ちょっとオイラ拗ねて旦那に可愛いところ見せちゃうもんねーうんうんうーん!とか思ってんだろ?」
「それ、オイラのマネ?」
「ああ」
「(に、似てねえ…!)」

更に強く顎を掴まれデイダラは無意識に眉間に皺を寄せる。

「いいな」
「は?」
「その顔。俺の下でくわえてるときもそんな顔すんだぜ?」
「あ、あんた昼間っから何言ってんだ?うん?」
「一発やっとくか」
「ふざけんな!これから任務だってあんた言ってたじゃねーか!」
「うるせェ。クールでいくんじゃなかったのか?」
「いけるかー!!!」









こっち向け(いいもんやっから)(いらねー!うん!)


08.こっち向け






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