rainDayはpainDay!









若者が集うショッピングモール。夕方から降り始めた雨の影響かいつもより人通りは少ない。

そんなショッピングモールの脇道を進んでいくと一件の古着屋がある。暗い店内を照らすのはオレンジの照明。ドアにはcloseと書かれた看板がかけられている。しかしペインと小南は傘をたたみ立てかけると、戸惑いなく店内へと入っていく。

「すいませーん今日はもうやってないんでーす…ってあれ?ペインと小南だ」
「何ノ用ダ?」

出迎えてくれたのは二人の店員。双子なので二人の容姿はそっくりである。肌の色は別として。

「ゼツ。今日は古着屋ではなく情報屋として接客願いたい」
「えー服買ってよー!」
「オ前ハ黙ッテロ。茶デモ用意シテコイ」
「はーい」

白い方が奥へと消え黒い方だけが残った。黒い方はカウンターにいるため近くにあった椅子を二人に差し出すと、二人は礼を言いそれに腰かける。

「久方ブリダナ。オ前ラガ情報屋ノ俺ニ会イニ来ルノハ」
「ああ。イタチに頼まれたサスケの恋愛事情調査以来だ」
「結局サスケニハ彼女ナドイナカッタガナ。アノブラコンメ」
「イタチはサスケが大切なだけだ。だから心配もする。それは俺と小南も同じこと」
「…トイウコトハ?」
「率直に言うわ。サソリについて調べてほしいの」

用件を小南が言い切ったとき、白い方がちょうどお茶を運んできた。外の雨は激しさを増し、店内にもその音は鳴り響く。

「サソリ?何かあったの?」
「恋をしたらしい」
「えええ?あのサソリがー?」
「オ前ハ黙ッテロト言ッタダロウガ」
「でもあのサソリが恋だよ?あの女ったらしがだよ?」
「マア確カニ珍シイコトモアルモノダナ」

二人で和気藹々と会話を始めてしまうのでペインはなかなか話に入れない。この双子は仲良しだから仕方ないことではあるが、急ぎの用を抱えている身のため引き下がるわけにはいかない。

「相手は男。金髪で長髪だそうだ」
「男!?本当に!?」
「ソッチニ走ッタノカ」
「だがこれはあくまで予測にすぎない。だからお前に依頼したんだ」
「ゼツ。あなたならサソリが興味を示した彼について、もっと詳しく調べることができるでしょう?」

黒い方と白い方は視線を合わせ静かに頷く。二人はペインと小南に向き直り、黒い方はカウンターの引き出しに入った依頼書とペンをペインへと差し出した。

「期限ハイツマデダ?」
「明後日にまた来る」
「早すぎでしょ!」
「サソリはもう動き出してるの。その相手を手に入れたと断言していたわ」
「その相手に何かあってからでは遅い。頼んだぞゼツ」

依頼主の欄に軽くサインをし、ペインはゼツに紙を返した。黒い方も白い方も浮かない顔をしていたが、渋々承諾してくれた。

「男デ金髪デ長髪。サソリモ狂ッタトイウコトカ」
「いや、これはピンチでもあるが同時にチャンスでもある」
「プラスカマイナスカ…見モノデアルコトニハ変ワリハナイナ」
「興味がわいたなら好都合。思う存分調べてくれ」
「期待してるわ」

そう言うとペインと小南は立ち上がり店を出ていく。あれほど降っていた雨もいつの間にか止んでおり、二人は傘をささずに来た道を戻り始めた。

「調べるの面倒くさい」
「ソウ言ウナ。調ベガイガアリソウダロ」
「ちょっとは興味あるけどさ」

二人の本業は古着屋ではなく情報屋。腕の見せどころである。

「トットト調ベルゾ」
「はーい」









黒イ方モ白イ方モ名前ハゼツ(情報屋も古着屋もやってるよ!)









人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -