What is seisyun?
訳「青春って何」









xy微分積分極大値極小値うんたらかんたら!ふざけんな意味わかんねえこと言ってんじゃねーぞコラアアア!!!と叫びたくなる衝動を何とか抑える。そしてシャーペンを握り直す。けどわからないもんはわからない。そもそもオイラの頭はこんなくっだらねー数学を解くために存在しているわけじゃない。歴史の記録に人々の記憶に残るそんな芸術を生み出すためにオイラの頭は…!

「だからって寝んじゃないの」
「痛っ!何すんだカカシ!」
「はい元気なデイダラくん。次の問題解いてみようか」
「デイダラちゃんドンマイ!」

只今大嫌いな数学の授業中。寝ぼけていたデイダラは、数学担当且つクラス担任であるカカシに教科書で叩かれ指されてしまった。横に座っている飛段は珍しいことに起きている。

「無理無理オイラマジで無理!解けるわけねーぞ!うん!」
「最初から諦めない!ほら早く黒板に書いて」

がんばれでいだらー!どんまーい!なんて声が多数後ろから聞こえてくる。くそっお前ら他人事だからっていい気になりやがって。覚えてろよ!あとで喝!だ。

「ほらまずは微分すんの」
「微分って何だ?うん」

それからの授業はオイラの個別授業と化してしまいました。








「ひどい目にあった、うん」
「お疲れデイダラちゃん。頑張ってたじゃん」
「お前寝てたくせによくそんなこと言えんな」
「あ。気付いてた?」
「当たり前だろーが!」

平気で嘘を言う飛段にデイダラは蹴りを入れようとするが簡単に避けられてしまう。仕方なく蹴りを入れるのは諦めリュックを背負ったデイダラに合わせて、飛段も鞄を持った。さっきの授業で今日は終わりなのだ。

「デイダラちゃん今日バイトは?」
「休み!うん!」
「んじゃどっか寄ってこーぜ!」
「角都は平気なのか?」
「アイツ今日残業だから遅ェんだよ。だからへーき」
「ならマックでも行くか」

教室を出て下駄箱でローファーに履き変えたとき、デイダラの携帯が震える。嫌な予感がしたのは気のせいだろうか。

「げっ」
「どーしたー?電話?」
「そう電話。しかもサソリから」
「マジかよ!」
「少し待ってろ飛段」
「お、おう」

下駄箱から離れて人気のない場所まで来てから電話に出る。こうやってサソリが電話をかけてくるのは初めてである。

「もしもしオイラデイダラ」
『遅ェ』
「うん?」
『電話出んの遅ェって言ってんだよクソ餓鬼』
「なっアンタがいきなりかけてくるからだろ!?」
『今から10分後に木の葉駅』
「は?」
『遅れんじゃねえぞ』
「ちょっ無理だぞ!オイラこれから飛段とマックに」
『………てめえふざけてんじゃねえぞ』
「え…」

サソリの声色がいきなりドスの効いたものになったので、デイダラは言葉を見失う。

『俺とお前は取引をした。俺にもお前にも果たすべき役目があるはずだ』
「………」
『もう一年切ってんだ。本気でG大行きてえなら死ぬ気になれ』
「………」
『行きたくねえなら来なくていい。勝手にしろ』

ブツリと乱暴に切られてしまい、無機質な音が耳に鳴り響く。デイダラは数秒呆然としていたが、サソリの声が脳内で木霊する。そうだ、今自分のやるべきことを忘れてはいけない。

急いで下駄箱に戻ると座りこんでいた飛段が立ち上がりこちらを見ていた。

「デイダラちゃーん!ってそんなに急がなくても」
「ごめん飛段!」
「あ?」
「サソリに呼び出された。G大行きたいなら死ぬ気になれって」
「………」
「ごめん。オイラっ」
「…早く行けよ」
「え?」
「デイダラちゃんの夢の邪魔なんかしたら角都に怒られちまうし俺も勉強しなきゃだしよォ!ちょーどいいぜ!」
「飛段…」
「ほら早く行けって」

強く背中を押され数歩前に身体がよろめく。振り返ると眩しい笑顔の飛段がいて、少しだけ泣きそうになった。

サンキュと言ってデイダラは自転車置き場へと走り出す。飛段はその後ろ姿を見送ったあと、ゆっくりと図書室へと足を進めた。








「サソリに俺のポジション取られちまった気がしてよォ」
『何だ飛段。妬いてるのか?』
「ばーか!そんなんじゃねえよ。ただちょっと寂しい気がすんだよなあ」
『デイダラもやっと進み始めたんだ。お前だってそうだろう?』
「まあ、そうだけど」
『とにかくお前は勉強しろ。俺も早めに帰れるよう努力する』
「角都今日残業じゃねーの?」
『………寂しがってる恋人を一人にしておくほど俺は無神経な男じゃない』
「ゲハッ何だそりゃ!」

静まりかえった廊下で壁に背を預けながら、飛段は携帯から伝わる恋人の言葉に嬉しそうに笑みをこぼす。やっぱりこの男を選んで良かったと心からそう思える。

「んじゃ俺頑張りますから!ジャシン様のためにも角都のためにも本気で勉強しますからァ!」
『声がデカイ』
「元からだばーか!」

ただケチすぎんのはどうかと思うけどな。









とりあえず突っ走ってこーぜ!(青春ってこんな感じ?)









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