途中、仲間達の部屋を通るが、物音一つしない。
どうやら先に食堂へと下りているようだった。

クレアがゼロスの手を引き、一階へ続く階段へと差し掛かった時。

突然後ろに居るゼロスを振り返り、言う。


「ゼロス、」


不意に繋いでいた手を強く引っ張ると、ゼロスが蹌踉めく。
クレアは少し背伸びをして、ゼロスの頬へとキスをする。


「えへへ…おはよう、ゼロス!」


始めは照れくさそうだった表情も、次第に満面の笑みへと変わる。


「…おはよう、クレアちゃん」


クレアの笑顔に釣られるようにして、ゼロスは微笑んだ。
いつもの笑顔とは違う、柔らかな笑顔で――。




(じゃあこれからテセアラでの朝は、おはようのキスをしないとだね!)
(そうよ〜♪)
(今日はゼロスだったけど、明日はロイドを起こしに行こうかな?)
(…え!?ちょ、ちょっと待ったクレアちゃん!)


2009.08.01. 


thanks:Mr.majorca

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