クレアは徐にゼロスの紅い髪を梳き、微笑む。


「ゼロスの髪って本当に綺麗…羨ましいなぁ」

「……でひゃひゃ!」


ゼロスは一瞬瞠目し、堪らず噴き出す。
そしてクレアの上から退き、ベッドに腰掛ける。


「わ、私何か変なこと言った?」

「いんや〜、それより今日の朝飯は?」


するとクレアは目を輝かせ、がば、と起き上がる。


「私が頑張って作ったの!メニューは見てからのお楽しみだよっ♪」

「それは楽しみだぜ〜」

「でしょっ!じゃあゼロスも早く下りて来てね」


と、扉に向かおうとした時、再びゼロスに腕を掴まれる。
クレアは振り返り、どうしたの?と言いたげな表情だ。


「…クレアちゃん、目瞑って」

「…んっ」


ゼロスがそう言うとクレアは疑いもせず、素直に目を瞑る。

クレアの頬に右手を添えて、額にキスを一つ落とした。


「…テセアラでは朝の挨拶はキスから始まるんだぜ?」


ゼロスが言うと、クレアは少しだけ照れくさそうに微笑んだ。

そうして二人は部屋を後にする


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