カーテンの隙間から漏れる陽にクレアは目を覚ます。
「…んんっ」
ゆっくりとベッドの上で伸びをし、顔を洗いに行く。
冷たい水が気持ち良く、段々視界がハッキリとしてくる。
少し早く目が覚めてしまったので、部屋着から普段着へと着替え、外を散歩しようと扉を開ける。
「…あ」
「はよっ、クレア!」
どうやらロイドも同時に扉を開けたようだった。
いつもの見慣れた赤い服、腰には双剣。
恐らく朝の稽古だろう。
「は、早起きだねっ!」
「ああっ!少しでも強くなって、皆を守らなくちゃいけないからな」
「そっ、そうだよね!じゃあ私はこれで…」
クレアが部屋から出ようと、一歩を踏み出したその時、左腕を掴まれる。
「ろっ、ロイド?」
「…クレア、最近俺のこと避けてないか?」
「そんなことないよぉ?」
クレアがえへへと愛想笑いをするが、ロイドは少しも瞳を逸らさず、どんどんこちらに迫って来る。
その分クレアが後退りすると、いつの間にか廊下の突当りへと追い詰められていた。
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