「…ゼロス、大丈夫?」

「大丈夫って何がよ?」


服の裾を掴み、ゼロスを呼び止める。
しかし、何度聞いても生返事が返ってくるだけだった。


「顔色、悪いけど…」

「俺さまってば愛されちゃってる〜♪」

「別に愛してはないけど、我慢は駄目……え?」


――ドサッ。




(ここは…何処だ…?)


周りを見回すと自分がベッドの上にいることに気付く。
そして近くの椅子に腰掛け、心配そうに顔を覗き込むクレアが居た。


「あっ、目が覚めた?」

「俺さま…?」

「ロイドがここまで運んでくれたんだよ。後、今日は絶対安静にしてなさいってリフィル先生が」

「ふーん…」


特に興味もなく聞いていると、クレアがゼロスに聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で、言った。


「…私が看病するから、何かあったらすぐに呼んでね?」

「えっ!本当に!?」

「うん。あ、でも…」

「じゃあ俺さまお腹が空いたな〜」


と、ゼロスは聞く耳持たず、クレアに注文をする。


「…何が良い?」

「クレアちゃんの愛が籠った手料理なら何でもいいぜ〜?」

「はいはい…」


クレアは半ば呆れ顔で部屋を後にした。


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