言うや否やゼロスは窓を開け、タキシード姿のまま外へ飛び下りる。


「えっ?ここ高…っ!」


慌ててクレアが窓へと駆け寄り、下を覗くと、何事もなかったかのように手招きをしているゼロスの姿が。
彼の周りには光り輝く小さな粒子が舞っていた。


(そっか、天使の羽…)


クレアはヒールのある靴を窓の外へと投げ、ドレスの裾を押さえながら、窓枠に足を掛け、愛しい人の元へと飛び下りる。


「よっと…」


ゼロスは見事にクレアの身体を受け止める。


「軽いな〜。まるで羽が生えてるみたいだぜ?」

「…羽が生えてるのはゼロスの方でしょ」

「でひゃひゃ!」


クレアが突っ込むと、いつもの下品な笑い。
しかし旅の途中で幾度と目にした愛想笑いではなく、とても柔らかな笑みだった。

一旦ベンチにクレアを降ろし、先程投げた靴を丁寧に履かせてやる。


「お手をどうぞお姫様」

「…ふふっ」


ゼロスが手慣れた動作でクレアの前に跪き、手を差し出す。
その上にクレアの手が重なる。

そうして二人は駆け出した。


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