マーテル教会の鐘がメルトキオ中に鳴り響く。
教会にはかつて旅を共にした仲間達も招待されている。


「クレアさん……凄く…綺麗でした」

「本当だね〜♪」

「ええ、二人には幸せになって欲しいわね」


現在、クレアはお色直しの為、席を外している。
その間、人々は新郎に祝いの言葉を掛けたり、久し振りに再会する友人達と賑やかに談笑する。


「この料理うまいな!」

「クレアに頼まれて、ボクとリーガルが腕に縒をかけて作ったからね」


テーブルには豪勢な色取り取りの料理が並べられており、これだけの人数分を二人で作ったのだと言う。


「それにしても…あのアホ神子とクレアが、結婚するとはねぇ」


ワインを片手にしいなは呟いた。




控え室ではクレアがメイドに手伝ってもらいながら、純白のウエディングドレスを着替える。
着替えが終わり、メイドが部屋を出ると、入れ替わるようにしてゼロスが部屋へと入って来る。

それを確認したクレアが小さく呟く。


「…結婚式って大変なんだね」

「そうだな。……あ」

「…あ?」

クレアが聞き返すとゼロスはニッコリ微笑み、言った。


「じゃあ、此の儘二人で抜け出しちまおうぜ?」


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