今日はゼロスと二人で買い出しに来ている。
旅に必要な物資が少なくなってきたということで、リフィルにお使いを頼まれたのだ。
先日、クレアは自分の想いを打ち明け、ゼロスは首を縦に振ってくれた。
買い出しに二人が選ばれたのは、リフィルの優しさからだろう。
「アップルグミとパナシーアボトルを十個ずつ。それから…」
「クレアちゃーん」
「ん、何?」
リフィルに渡されたメモ用紙を見ながら品物を選んでいると、後ろの方で壁に凭れ掛かっていたゼロスが声を上げた。
「俺さま疲れちゃったから、外に出ても良い?」
「あ…うん、分かった」
クレアが返事をすると、ゼロスは間髪を容れず、外へ出て行ってしまった。
(…やっぱり、私なんかと一緒に居ても楽しくないのかな…)
購入した品物をウィングパックに収納し、胸のポケットへと入れる。
すると、どこからともなく女性の甲高い声が響いて来た。
声の大きさからすると、場所はそう遠くない。
扉を開け、声のする方向へ歩いてみる。
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