「じゃあ始めるよー!」


クレアがくるりと背を向けると、仲間達は一斉に動き出す。


「…さんがころんだ!」


――ピタッ。

流石は数々の戦闘を潜り抜けているだけあって、皆の反射神経は普通のレベルではない。
その上、エクスフィアを装備しているのだ。

しかし、唯一人バランスを崩した者がいた。


「コレット見っけー!」

「えへへ…見つかっちゃったぁ♪」


服に着いてしまった砂埃を払い落とし、コレットは横にはける。




皆が皆、エクスフィアを装備している為、距離が通常のそれではない。
鬼のクレアから、スタートラインまでは恐らく1km以上離れている。

当然、クレアの声は天使聴覚を持った三人以外は聞こえる訳がなく、皆は鬼が振り向く直前に神経を集中し、そして動きを静止しているのであった。




そしていつの間にか残っているのはゼロスとクラトスだけになっていた。
と言うよりは、この二人があの手この手を使って、仲間達をリタイアさせたのだった。


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