「だるまさんが…ころーんだっ!」


両手で目を覆っていたクレアが、素早く後ろを振り向く。


「…きゃうっ!」


バランスを崩したコレットがその場に尻餅を着く。


「コレット見っけ!」

「えへへ…見つかっちゃったぁ」


クレアが満面の笑みでコレットを指差すと、彼女は舌を出して照れくさそうに微笑む。


「よーし、じゃあ次行くよっ!…だぁるまさんが……」




一行は昨夜、ロイドの家へと赴いた。
そこで一夜を過ごし、現在は昼時。
仲間達は皆、各々に休息をとっている。


「ねぇねぇ、ゼロス」


クレアは二階のベランダで、一人ぼうっと空を眺めていたゼロスに声を掛ける。


「ん〜?何かなクレアちゃん」

「…だるまさんがころんだっ!」

「…へ?」


ゼロスは目を丸くするが、そんなことには気付かずに彼の手を掴み、森の方を指差す。


「一緒に遊ぼっ!」


ゼロスは一瞬、クレアの無邪気で一点の汚れもない純粋な笑顔に魅せられる。


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