世界再生の旅の途中、その日は何だか寝付けなくて、星空を眺めようと思った。
気持ち良さそうに眠っている皆を起こさないように、忍び足で陣を出る。
すると、背後から声を掛けられた。
「…眠れぬのか」
彼は地面に座っていて、眠たげなノイシュの頭を優しく撫でていた。
「あ…うん、ちょっと」
「そうか」
怖々と答えると、素っ気無い返事が返って来る。
「クラトスの方こそ、眠れないの?」
「…いや、別に」
「ふーん…」
クレアはクラトスに断って、陣の外へ出ようとしたが、夜中に一人になるのは危険だということで、
「隣、良い?」
「…ああ」
クラトスの隣に座り、二人と一匹で、雲一つない夜空を見上げる。
そこには満天の星達。
煌々と輝いているものや、小さな光でも懸命に瞬いているものと様々だ。
「うわぁ…綺麗……!」
余りの美しさに、思わず感嘆の声をあげる。
「凄いねぇ、ノイシュ」
「ウォーン」
そう言ってノイシュの首元を掻いてやると、至極気持ち良さそうに鳴く。
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