「ぜ、ゼロス…どどどどこに行っちゃったの?」


クレアがガタガタと震えながらゼロスの名を呼ぶ。
しかし、返事はない。


「うぅ…雷、こ、怖いよぉ……ぜ、ゼロスぅ!」


クレアが暴れ出した時に投げ捨てた分厚い毛布と共に、ゼロスが覆い被さる。


「ゼロ、ス…?」

「これなら…雷、聞こえねぇだろ?」

「う、うん…」


僅かに雷鳴が轟いているのが聞こえるのだが、それ以上にゼロスの鼓動が大きく聞こえた。


(ゼロス、あったかいなぁ…)


心地好い体温に安心したのか、クレアは深い眠りに就く。

それを確認して、ゼロスは溜め息を吐く。


(…魔術を食らわされた時は、本気で死ぬかと思ったぜ……)


自分の腕の中で気持ち良さそうに眠っているクレアの髪を、丁寧に梳いてやる。

そうしてゼロスもまた、眠りに就いた。




(おやすみ、クレアちゃん)


2009.09.10. 


thanks:Mr.majorca

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