クレアは階段に座り込み、必死に気持ちを静めようとするが、鼓動は高まるばかりだ。
(…は、恥ずかしくて思わず逃げて来ちゃったけど……)
主に対して無礼を働いてしまったことに落ち込む反面、どこか嬉しい自分もいた。
「あ…もしかして」
あることに気が付き、クレアはポケットに仕舞い込んでいた金色の羽根を取り出す。
無造作に突っ込んでしまったのにも関わらず、折れることはなく、輝きも失われていなかった。
「この羽根…」
クレアは掌の上にあるそれをじっと見つめ、呟く。
「ゼロス様、だったのかなぁ…?」
羽根は淡い光を放ちながら、きらきらと輝く。
クレアは愛しそうにそれを両手で包み込み、瞳を閉じた。
弧を描いた先の未来
2009.09.21.
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