図星を指され、クレアは一瞬黙り込む。
「で、ですが…!」
「別に俺さまは嫌だと思ってないし、外側も拭くんだろ?」
「……ありがとうございますっ!はい、でも流石に外側は諦めるしかないですね」
クレアが苦笑していると、目の前には窓の縁。
しかも外側の窓だ。
「…えぇっ!?ゼロス様、一体どうやって……」
窓に映った自分達の姿を見ると、ゼロスの背中には金色の羽が輝き、身体は宙に浮いていた。
「…ん?どしたのクレアちゃん」
「あっ、いえ、何でもありません…!では、お掃除を再開致しますね」
「ありがとうございました、ゼロス様」
クレアは深々と頭を下げる。
「良いってことよ。可愛いクレアちゃんの為ですから〜」
「かわっ…!」
クレアの頬が赤く染まる。
その純情な反応が楽しいのか、ゼロスは微笑みながら続ける。
「うん、可愛い」
そう言ってクレアの頬に手を伸ばすと、
「…しっ、失礼致しましたぁ!!」
急いで掃除道具を抱え、物凄い勢いで部屋を出て行ってしまった。
(クレアちゃんの反応って一々楽しいんだよな…)
ゼロスは手入れされたベッドに寝転び、天井を見上げた。
*prev - 3 - next#