「あの、ロイド…」
クレアが消え入りそうな声で言うと、少しの沈黙の後、ロイドは顔を真っ赤にしてクレアの上から飛び退く。
「わああっ!ご、ごめんクレア!!」
「だ、だだっ大丈夫…」
クレアは砂埃を払いながら起き上がり、赤い顔を隠す為、ロイドに弾かれた剣を取りに行く。
(ビックリした……でも、嫌じゃなかったな…って、私何考えてるの!)
地面に転がっていた剣を引き抜き、鞘に収める。
ロイドを一瞥すると、まだ試行錯誤していた。
ロイドには失礼かもしれないけど、必死になるその姿がとても愛しくて。
「おーい!クレア、手伝ってくれよ!」
遠くから私を呼ぶ大好きな彼の声。
私より少し高い目線、眩しい笑顔、澄んだ瞳には力強い意志、誰よりも真っ直ぐでお人好しなあなたが好き。
大好きだよ、ロイド。
空虚を攫んでも意味はない
(決して言葉には出来ないけれど、誰よりもあなたが好きなんです)
2009.09.30.
thanks:
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