「ゼロスさま、おはようにゃん!」
「ん〜…その声は…クレアちゃん…?」
「そうだにゃん!起きてくれないと寂しいにゃん…」
「なにをそんなにゃんにゃん言って…」
息を呑んだ。
なぜなら彼女の頭には猫の耳が、おしりには猫のしっぽが生えていたから。ぴょこぴょこと動くそれがなんだかすごく可愛くて、ちょっとしたイタズラ心が芽生えた。
「クレアちゃん」
「なにかにゃん?」
――ぽすん。
細い腕を引っ張れば彼女はいとも簡単にベッドへと倒れ込んだ。
これ、本物か…?わざと猫の耳の近くで息っぽくしゃべる。と、びくりと震えるクレアの身体。どうやら本物らしい。
ふーん…。
「にゃ…にゃにするんですか!」
「いや…本物なんだなーと思って」
「み、耳元でしゃべらにゃいで…」
「って言われると余計いじめたくなっちゃうんだなー」
「い、意地悪…」
「しっぽは?こっちも本物なの?」
「やっ…!ど、どこ触って…」
「役得役得〜」
使い方間違ってるにゃん!というクレアの言葉も、語尾やら表情のせいで説得力のかけらもない。
でも、せっかくだからもう少しだけ堪能させてもらおう。
「…っていう夢を見たのよ」
「くたばれバカ神子」
いつかはハッピーエンド
(んな訳ないでしょ)
(ですよねー…)
2012.02.25.
thanks:
carol