澄み切った青空に浮かぶ真っ白な雲はふわふわで、わたあめのよう。
ここのところぐずついた天気が続いていたから、今日は一日洗濯日和。
クレアは、雲と同じように白いシーツを広げて水をきる。
すると、遠くに緑色を見つけた。
「?」
緑色は二つで、一つはこちらに向かって走ってくる。もう一つは、その後を必死についていた。
目を凝らせば、前を行く緑色が手を振っているような気がする。
緑色の正体が分かると、クレアは顔を輝かせた。
「リンク!」
「久しぶり、クレア!」
「何じゃクレア!わしもおるぞい」
「ふふっ。お久しぶりです、エゼロさん」
クレアに手を振っていた少年の名は、リンク。
金色の髪と青色の瞳が特徴的だ。
一方、リンクの後を必死についていた緑色が、エゼロ。
元は「ピッコル」という小人だったらしいのだが、魔人グフーによって姿を変えられてしまったのだという。
「相変わらずべっぴんさんじゃのー」
「エゼロさんの方こそ、以前よりたくましくなられたんじゃないですか?」
「おおー!流石クレアじゃ!実は先ほど、二つ目のエレメントを手に入れてだな…」
楽しそうに言葉を交わすエゼロとクレア。
そんな二人に挟まれたリンクはといえば、わずかに頬を膨らませていた。
クレアに想いを寄せるリンクにとって、面白くない状況なのだ。
「そうそう。私、二人にプレゼントを用意しておいたんですよ」
「ホントか!?楽しみじゃのう。なあリンク」
「…うん」
「それじゃあ、目を瞑ってください」
「ううむ。いくつになってもサプライズというものはドキドキするのう」
クレアの言う「プレゼント」に期待しながら目を瞑るエゼロとは裏腹に、やはりどこか不機嫌そうな表情で目を瞑るリンク。
けれど彼のぷっくり膨らんだ頬は、この後一瞬で緩むことになる。
――ふわり。
柔らかいクレアの香りが、間近に迫って離れていった。
そして一緒に笑うんだ
(エゼロさんには内緒ですよ?)
2011.09.08.
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哀悼