僕の身長じゃ、まだマスターに届かない。

あと10cm。

だけど、いつか絶対追い越してみせるから。


「マスター」

「ん？」


可愛らしいリップ音が、耳に届く。
必死に背伸びするレンが可愛いなと思っていたら、まさかの不意打ち。

手にしていた本を、思わず落とした。


「れっ、れれれレンくん…！」

「いつか絶対、背伸びなしでもキス出来るようになるから。それまで待っててね、マスター」


紳士が蝶ネクタイを放つ刻限

（レンってば、意外と積極的なんだよね）
（おませさんね）
（むうー…。マスターはミクのだもん！）




thanks:Ｍr.majorca

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