――アルタミラ。
久しぶりに一日休みをとった一行は、アルタミラに遊びに来ていた。リーガルがパーティにいることもあって、部屋はスイートルームだ。
ロイド、ジーニアスは海に行き、リフィルやしいな、プレセアは砂浜でゆっくり過ごすらしい。
そして、クレア、コレット、リズナは、浜辺で水を掛け合って遊んだり、自由に泳いでいた。
「そーれっ!」
「きゃあっ!もー、リズナ!」
「ごめんごめん。まあこういう遊びだから、ね?」
「リズナ!」
「なに、――!けほっ、クレア!」
「えへへへ、これもありだよ」
「だからってなんか違う気がする…。クレア、あたしに水をかけた意味、わかってるよね?」
「…え?」
「クレア集中攻撃ー!」
「あ、私もやるー!」
「コレットまで!?っきゃあ!」
「女子三人は随分と楽しそうね」
「あんなふうに美女三人が戯れあってるなんて、俺さま行ってきちゃお!」
「待ちなさい」
「へぶっ!」
るんるん気分でリズナたちのもとに向かおうとしたゼロスを、リフィルが抑えた。
そのせいで盛大に砂浜にダイブしたゼロスは、口の中に砂が入り込んでしまったらしく、慌てて水を口に含み吐き出している。
その様子をくすくすと笑っていたリフィルは、ゼロスの怨むような視線を受けてようやくやめた。
「リフィルさまー…、あれはないでしょーよ」
「あなたならあの子たちをいろいろしかねないと思ったから止めたのよ。私のかわいい教え子たちをたぶらかさないでちょうだい」
「いや俺さま純粋に遊んで来ようかなって…」
「それが怖いの。でも、リズナがいるから大丈夫かしら」
「二人を守る意識強いからねー、リズナは」
「…リズナがいるから大丈夫ね。クレアやコレットは純粋なんだから、汚さないでちょうだいね」
「わかってまーす!」
リフィルに釘をさされたことをわかっているのかいないのか、ゼロスはスキップしそうな勢いで歩いていった。
ゼロスが近付いて来たことに、コレットは笑顔を、クレアは顔を赤くし、リズナは一瞬警戒するような色を浮かべた。
「ゼロスだ。どうかしたの?」
「いやぁ、コレットちゃん達が楽しそうに遊んでるから来ちゃった」
「水の掛け合いして遊んでたの。ゼロスもやろう」
「いや俺さまコレットちゃんたちの体を――ヘブッ!」
「さらりと変態発言しないで、ゼロス。手が滑って海の鮫に連れていきかねないから」
「リズナそれはかなりひどい!」
びくりとするゼロスに、リズナはにやにやとして近付いていく。
しかし、一応危害を加えることはなく、にっこりと脅し込みの、笑顔で済んだのだった。
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