「そうそう、コレット。うまいよ」
「ジーニアス、お前も頑張れよ」
「ぶくぶくぶく…」
「え?無理なものは無理なんだ?そんなこと無いって。コレットだって泳げるようになったんだぞ」
「違うロイド!ジーニアス沈んでる!」
「え、うわあぁっ!ジーニアスごめんっ!」
「…………」
「ジーニアス?えっと、ごめんな?」
「ロイド…」
「はい」
「いっぺんボクに殺されなきゃわかんないかなー?」
「滅相もございませんー!すいませんでしたー!」
「あの二人しょっちゅうあんなかんじだよね」
「うん、…そだね」
「…あぁ、そうだよね。二人とも休憩しよう。疲れたでしょう?
あたし特製のサンドイッチ作ってきたからさ」
「わーい!作って来れないから、助かったよ」
「リズナ、急にどうして?」
「コレット、気づいてないの?」
「え?」
首を傾げるコレットに、リズナは笑いながらコレットの頬に手をあてた。
笑みにはほんの少しの悲しさを交ぜて。
若葉のような色をした明るい緑がコレットの青を見る。
コレットは吸い込まれるように緑をじっと見ていた。
「疲れたのがわかるんだよ。初めてだから仕方ない。おいで、ご飯食べよう!」
「うんっ!」
「リズナー、はやくしてくれよ。腹減った」
「ロイドにはあげないよ?」
「な、なんでそうなるんだよ!」
「まあいいや。ちょっと待ってて、バスケット持ってくる」
ご飯を食べた後は砂浜でお城を作ったり、ジーニアスの体を砂に埋めて、その上に乗ったりした。
砂は太陽の光を吸って熱く、ジーニアスは耐え切れずに出ようとしたが、ロイドが上に乗っていて動けない。
「ロイド、この砂熱いんだ。そろそろどいてよ」
「えー、いいじゃんか。もう少しこのままでも。そうだ、この上に何か作ろう!」
「ちょ、ロイド。本当に危な、い…」
「…ジーニアス?ジーニアス、ジーニアス!」
「ロイド、何してるの?」
「ジーニアスが気を失っちまったんだ!俺がどいてれば…。ジーニアス、死ぬなー!」
「ちょ、ロイドッ!」
ドッポーン!!
「あちゃー…」
「…………」
「ジーニアスッ、良かった。大丈夫か!?」
「…天光満つる、」
「ストップジーニアス!それは今使っちゃまずいから!」
「……、リズナ、ボクを止めないで…」
「後でギタギタにすればいいんだから、今は抑えて」
「…リズナが言うなら。ロイド…、良かったね、生き延びたよ。少しだけ、ね」
「ひいっ?!」
「あははは、ロイド、頑張ってね」
「ジーニアス、大丈夫?はい、タオル」
「ありがとう…、コレットだけだよ。こんなに優しいのは…」
「えへへへ…。ジーニアス、一緒に休んでよっか。私たち、休んでるね」
「分かった。ロイド、泳ぎ競争するよ!」
「よし!負けないぜ!」
「頑張ってねー」
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