リズナとコレットは少し離れた岩の影でおしゃべりをしながら着替えていた。

リズナの方は着々と着替えていたが、コレットは海が気になってずっと見ているため中々進まない。

リズナはコレットの気を引くためある伝説を話すことにした。
それは彼女が昔に聞いた人魚の伝説。


「コレット、人魚って知ってる?」
「うん、知ってるよ。下半身がお魚さんなんだよね。歌声がすごく綺麗な、綺麗な人」
「そう。この海のどこかには人魚がいるんだって。聖域が近いから、それにつられて人魚が集まりやすいんだって!」

「じゃあ泳ぐ練習したら会えるかな?」
「どうだろう。けど頑張る余地はあるよ。あたしやロイドが教えるから、頑張ろうね」
「うん!じゃあ早く着替えなきゃっ!」


いつも以上に青色の瞳を輝かせて、コレットは素早く着替えはじめた。

先に着替え終わり、それをほほえましく見守っていたリズナは、髪の毛を適当にポニーテールにした。

海に入るときに邪魔になるからだ。
コレットもまもなく着替え終わり、リズナが同じくポニーテールに結ってやる。


海に戻って来ると既にロイドとジーニアスは浜辺で水を掛け合って遊んでいた。

リズナとコレットが行くと、ロイドが満面の笑みで迎えてくれた。


「リズナ、コレット、遅いぞ!早く遊ぼうぜっ!」
「うんっ!」

「あ、そうだコレット」
「なに?」
「今日コレットは海初めてだから、どこかに行くときはあたしたちに言ってね。海は危険だから」
「うん、わかったよ!」
「じゃあ行くぞっ!」


バシャバシャと水音をたてながら、二人は海へと飛び込んで行った。
浅瀬で水を掛け合って笑いあった直後、リズナの顔に海水が直撃した。

しばし硬直し、顔をあげると、ロイドが笑いながら見ていた。

ブチッと彼女のなにかがキレた。


「ロイドー!てめぇいい度胸じゃねえか!!」
「うわー」
「ロイド棒読みだね」
「全く…、コレットを楽しませることが目的なのに、二人は何してるんだか…」
「え?」
「あ、なんでもないよ」

「はあはあ…」
「おとなしくっ、つかまれ…!」
「捕まる、もんかよ。どうなるか、わかったもんじゃないからな」

アイストーネード

「「ぎいやああぁぁあっ!!?」」

「全く…、本来の目的を忘れて遊んでないでよね」
「う…」
「ごめんなさい」

「コレット、どうする?」
「…私に泳ぎを教えてほしいな」
「そうだな!」
「あたしに任して!」
「ボクはいいや…」
「もちろん」
「ジーニアスもだよな?」
「…わかったよ…」


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