僕ら双子のドールは二人で一人。ねぇ、翠星石…


僕は、君の――






緑豊かなこの場所は僕達のマスターが住む屋敷。
よく手入れされた薔薇達が気高く、美しく咲き誇る。


まるで、僕達薔薇乙女のよう。


「何処ま……で行くですか…翠星石、は、疲れたですよ………」


君は疲れ果てて息も切れ切れになりながら、でも、嫌とは言わず、逃げる僕を追い掛ける。


「あと少しだよ翠星石」


そう言って僕が手を差し伸べると、まるで疲れなんかなかったかのように、君は満面の笑みで自分のそれを重ねる。


その姿が愛しくて、僕が笑い声を上げると、


「どうしたですか?」


きょとんとした顔で首を傾げる君。


「なんでもないよ」


僕は答える。






大好きな翠星石。


僕は、君の笑った顔が大好きなんだ。


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