「…っと、怪我はねぇか?クレアちゃん」
「だいじょぶだよ、ありがとうゼロス」
「それは良かった」
と胸を撫で下ろしているとクレアの顔がみるみる紅潮していく。
「…?クレアちゃん?」
「……ゼロス、あの…」
クレアに言われ自分達の状態をよく見てみると思いの他クレアと顔が近かったことに驚く。
更にクレアを支えた時の反動で転がった所為か、ゼロスがクレアの上に重なる状態になっていた。
「あ…!いやーごめんな…」
と言ってクレアの上から退くゼロス。
「う…うん」
まだ少し頬が赤いクレアはそんな表情を見られたくないのかゼロスに自分の顔が見えない様に起き上がり、脇に転がっていたバスケットを拾う。
「…」
「…クレアちゃん?」
とゼロスが顔を覗き込んだので
「あーっ!あっちに可愛いお花が咲いてるよ、早く行こう!!」
ゼロスの腕を強く引っ張りズンズンと歩いて行く。
(クレアちゃん、もしかして照れてる…?)
そう心の中で思った矢先、くるりとクレアが振り返り
「さっきは…助けてくれてありがとう」
満面の笑みでゼロスにお礼を言った。
彼女の頬はまだほんのり赤みを帯びていて。
その時二人を温かく包む様な優しい風が吹いた。
何もかも信じられなくなったのなら僕の元へおいで、優しく抱きしめてあげるから
2009.06.21.
thanks:
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