木々が生い茂り、葉と葉の間から漏れる陽射しがとても心地好い。
色とりどりの花達が各々の性格を誇張するように咲き乱れている。
今日はゼロスとピクニックに来ている。
昨日の夜皆が夕食を済ませた後、私の部屋に来たゼロスが「明日の朝…俺さまと出掛けねぇか?」と言ったのが事の始まり。
「どしたの?急に。」
きょとんとした表情で返すクレアちゃん。
鳶色の大きな瞳がじっとこちらを見返す。
「いや…その…何となくだよ何となく!」
あぁもう何でクレアちゃんにはハッキリ言えないんだよ俺。
彼女以外の女性なら何とでも口説ける自信があるのに。
…これが惚れた弱味ってやつなのか?
「うん。いいよ!」
そう言ってクレアはニコッと笑った。
「じゃあコレットとロイドとジーニアスと…」
「ちょ、ちょっと待った!」
「?」
「そ…その二人きりで行かねーか?」
「?…うん!」
コレットと同等の天然であると皆に太鼓判を押されているクレアは『二人きり』という意味を『デート』とはとっていないのだろう。
(俺さま一応デートのつもりで誘ってんだけどなー?)
と思いながらも
「じゃあ、城門の前で待ち合わせな」
「うん!おやすみ、ゼロス」
「おやすみ、クレアちゃん」
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