――バキッ!!
しいなの拳が見事ゼロスの脳天に直撃した。
「このアホ神子!どさくさに紛れて何しようとしてんだい!」
「いってぇ〜…殴るこたねぇだろ!」
言い争いを始めようとした二人を止めたのは、
「ぶっちゃダメぇ!ゼロス…痛かった?」
というクレアの発言。
そして先程しいなの拳を受けた箇所を撫でてやりながら、
「痛いの痛いの飛んでけ〜」
「…クレアがこの状態では先に進めないわね」
リフィルが言う。
「じゃああそこで待っててもらうのはどうでしょうか?」
とコレットが遠くに見える浮島を指差して言った。
「あ…あのコレットちゃん?俺さまの意見も聞い…」
「そうね…この際仕方がないわ。ゼロス、クレアを頼んだわよ」
「り、リフィル様まで!俺さましょんぼり…」
ゼロスがわざとらしく肩を落してみせると、
「ゼロス、」
声を潜めたロイドが
「クレアの事…頼んだぜ」
そう言い残し仲間達と共にエルフの里ヘイムダールへと歩いて行った。
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