「ゼロス…」
クレアの悲しい声が薄暗い部屋の中にポツリと響いた。
「うへ〜。また教皇騎士団かよ!」
オゼットに着くや否やゼロスが愚痴を零した。
愚痴を零すのも無理はない、先程ガオラキアの森でも教皇騎士団と刀を交えていたからだ。
「仕方ねぇ、行くぞ!」
ロイドの掛け声と共に皆が各々の武器を構え戦闘体制に入る。
それを合図に相手もこちらに迫って来た。
「…双旋連斧」
プレセアの巨大な斧が遠心力を味方に付け敵を薙ぎ倒してゆく。
「ぶっ飛べ!獅子戦吼!」
「ぐわぁ!」
ロイドの氣が獅子を象り教皇騎士団達を吹き飛ばす。
「今だ、クレア!」
「任せて…プリズムソード!!」
クレアがそう唱えた瞬間、教皇騎士団の足下に魔方陣が現れ光の槍が彼等を貫いてゆく!
「なんとか終わったみたいだな…」
額の汗を拭いながらロイドが言う。
「でも、なんでこんなに私達の行く先々に回り込む…」
クレアが言いかけた刹那、
後ろにまだ生き残っていた教皇騎士団の一人が大きな槍をクレア目掛けて振り下ろそうとしている。
気配を感じたクレアは後ろを振り返ったが、
――詠唱が間に合わない!
ギュッと目をつぶりとっさに頭を隠してその場に座り込んでしまった。
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