流石にこのままずっとこの部屋にいる訳にいかないので、クレアは立ち上がりドアの前まで歩く。
「…クレアちゃん?」
心臓が飛び出てしまうのではないかというぐらいの大きな鼓動が鳴る。
恐る恐るベッドを振り向くと、瞼を擦りながらまだ眠たそうな瞳でこちらを見ているゼロスの姿。
「お…おはよう」
「…はよ」
ぎこちない挨拶をすると短い返事が返って来る。
「じゃ…じゃあね」
クレアがドアノブに手を掛けた瞬間だった。
完全に目を覚ましたのか、ゼロスが意地の悪い笑みを浮かべて言った。
「クレアちゃんって意外と…」
「な、何?」
「激しいのな」
「…っ!」
クレアの顔はみるみる赤く染まってゆく。
遂には耳まで赤くなり、俯いてしまった。
ゼロスはそんなクレアの姿を見て笑う。
「…寝相がな」
「!」
「クレアちゃ〜ん、もしかして何か違うことを想像してたのかな〜?」
「し、してないもん!」
クレアはぷくーっと頬を膨らませるが、まるで怖くない。
その表情が更にゼロスの笑いを誘う。
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