ほんとはもっとグレイアーツ君の歌を聞いていたかった。いつまでも隣にいたかった。

右も左も分からないような真っ暗闇で膝を抱えていた。音もないし、においもしない。手を伸ばしてみても、なににも触れない。
ああきっと、これが「死ぬ」ってことなんだ。

なにも見えなくていいから、せめて音があったらなぁ。そうしたら、少しでもグレイアーツ君を感じられたかもしれないのに。


「──、」


聞こえた。彼のブレス音。

やわらかい歌声が真っ黒だった世界を白く塗りつぶして、赤、青、緑。ビビッド、パステル。
色鮮やかに染めてゆく。

ねぇ、グレイアーツ君。
これからはずっとずっと一緒だよ。

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