「ユニコーンが…角をくれたよ」
瞳に涙を浮かべたしいなが言うと、クレアは両手で優しく包んでいたユニコーンホーンをリフィルに手渡した。
「…そうか。では、ユニコーンは死んだのだな」
「知ってたのかい!?」
「…しいな。新しい命が生まれる、ってユニコーンが言ってたじゃない」
クレアが言うと、クラトスに食ってかかろうとしたしいなは、口を閉ざした。
「…俺達も、折角ユニコーンが命と引き替えに託してくれた角を、大事に使わないとな」
「そうだよ。コレット!これで、元の身体に戻れるかも知れないよ!」
ジーニアスが嬉しそうに言うと、コレットはゆるゆると首を横に振った。クレアの掌を取り、丁寧に指を滑らせる。
「……!」
クレアは文字を書いていたコレットの両手を無理矢理自身の両手で包み込み、瞳を閉じた。
「今はまだ、世界を再生する途中だから…」
「!」
コレットが瞠目する。クレアはそれに構わず、言葉を紡ぐ。
「…これはピエトロさんやクララさんに使って。私ならだいじょぶ…」
クレアがゆっくり瞼を開けると、コレットが至極嬉しそうに微笑んでいた。
(私の声…クレアに聞こえるの?)
クレアはコレットの手を包み込んだまま、にこりと微笑んだ。
「うん。…聞こえるよ、コレットの声!」
to be continued...
(09.11.09.)
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