牧場から脱出した人物と接触しましょう、とリフィルが提案すると、しいながその人物の居場所を知っているようだった。

《冒険者の街》ハイマでは、牧場から脱出する際にかけられた呪いの影響で、喋ることも儘ならない虚ろな瞳の男性――ピエトロと、彼を庇い、匿う少女――ソフィアに出会った。
マナの守護塔に保管されているという『ボルトマンの術書』を用いてピエトロの呪いを解く、という条件付きでソフィアから青い宝石を渡された。






「これだな。ピエトロの言ってたやつは」


前回牧場に侵入した時から、確かにそこには不自然な岩があった。試しにロイドが力一杯押してみるが、岩はびくともしない。


「ピエトロさんから預かった、ディザイアンオーブを使ってみましょう」


リフィルが青い宝石を掲げると、岩は音もなく横滑りに動き、内部に通じているであろう入口が現れた。






「どうやらクヴァルの居るフロアに行くには、ガードシステムを解除する必要がありそうね」


施設内の端末を操作し、ホログラム映像を眺めながらリフィルが言った。


「んじゃ、早速システムを解除しに行こうぜ」

「少し待って。クヴァルの居る部屋に行く為のルートを洗い出すから」


リフィルは細い顎に手を当て、誰に言う訳でもなく、自身に言い聞かせるようにして呟く。


「ベルトコンベアによって、立ち入りを禁止しているようね。それを止めるには、ベルトコンベアの制御装置を止める必要があるのだけれど…」


その後ろで、ジーニアスが牧場内の地図を記憶している素振りを見せる。


「コンテナが運ばれている間は、装置に近付けない構造になっているわね。コンテナの発生制御を弄るには…」


大きな警報が鳴り響く。メインコンピュータにアクセスしたことが、相手側に知れてしまったらしい。


「仕方ないわね。システムの解除班と、侵入班に分かれましょう」


リフィル、ジーニアス、しいなが解除班として囚われている人々を助けに、ロイド、クラトス、コレット、クレアが侵入班としてクヴァルの元へ向かうこととなった。


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