ライナーから詳しい情報を得た一行は、再び石舞台へと足を運ぶ。
長い階段を上り終えると、町長が立っていた。


「これ以上石舞台を調べられて、風の精霊様のお怒りを買う訳にはいかないのだ。この舞台に上がれるのは、精霊の踊り手だけだ」

「なら、私が踊り手になります。それなら舞台に上がって良いですね?」


リフィルの提案に町長は少しの間沈黙し、言う。


「…好きにするが良い。但し、命を落としても我々は責任を取らないぞ」






正装に着替えたリフィルは、石舞台に描かれた円形の模様を杖で示し、それを数か所繰り返す。
舞台の中央で片膝を付き、頭を垂れる。

すると、石舞台が光り輝き、リフィルの頭上に白い光が出現する。


「…違う、違います先生!それは邪悪な者。封印の守護者でもない」

「…行くぞ、皆っ!!」


コレットが叫ぶと、各々の武器を構えていた仲間達が石舞台の上へと飛び上がる。

それに反応するようにして光が弾け、魔物が姿を現わす。
鋭い牙と爪、背には悪魔のような翼を生やし、胸から下は乱気流によってハッキリと見えない。

ロイドとクラトスが前衛から、コレットが中衛から攻撃を仕掛ける。


「行くわよ、アグリゲットシャープ!」


詠唱を終えたリフィルの声が聞こえると同時に、身体の奥深くから力が漲るのを感じる。


「ピコピコハンマー!」

「サンダーブレード!」


コレットの技に続き、クレアの魔術が発動する。
しかしそれは魔物の身体を目掛けたものではなく、ピコハンに雷の力を宿らせる為だった。


「いでよ、雷撃の吉!」


ピコハンが命中すると、マナで出来た雷が魔物の身体を焼き焦がす。魔物はぷすぷすと音を立て、やがて動かなくなった。


(ふぅ…)


クレアが戦闘体勢を解いた時、魔物の指が僅かに動き、足元に魔方陣が出現する。

普段ならば躱すことも、防御技を発動させることも容易なのだが、疲労で反射神経が鈍っていた為に、それらをすることが出来なかった。

風の刃に存分に切り刻まれたクレアがその場に崩れ落ちる。


「…ファーストエイド」


近くにいたクラトスがクレアの身体を支え、治癒術を施す。


「クラトスさん、ありが…」


クレアはにこりと微笑むと、瞳を閉じた。


「…クレア?おい!どうしたん…」

「静かにしろ。…眠っているだけだ」


ロイドが心配そうにクレアの顔を覗き込むと、彼女は心地好さそうに寝息を立てて眠っていた。


*prev top next#

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -