空には、二つの惑星が寄り添いあうように存在している。
どこまでも澄んだ青に、ゆっくりと流れる雲。
若い緑に囲まれて、ロイドは口を開く。
「…母さん。父さんは…いっちゃったよ。これで…よかったんだよな。止めなくて…よかったんだよな」
「…ロイド。おめぇ、本当は一緒に行きたかったんじゃないのか?」
「いや、俺には俺のやるべきことがある。父さんには、父さんのやるべきことがある」
そう言ってロイドはダイクを振り返り、笑った。
「…それに、ここには親父もいるしな!」
「そうか。なら、わしはもう何も言わんよ」
「…母さん。父さんの剣は、母さんの側に置いていくから」
だからもう、独りじゃないよ。
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