「本当に、デリス・カーラーンへ行くのか」
クラトスと向かい合いながら、ロイドは問うた。
答えは始めから彼の中で決まっているだろうし、揺るがない。
これは、一種の甘えなのかもしれない。
「クルシスのハーフエルフがいては、他のハーフエルフ達が住む場所を失う。この騒ぎの責任は、クルシスの生き残りとして、私が負うべきだ」
「俺は、この大地に残されたエクスフィアを回収する」
「そして、私が…クルシスの所有していたエクスフィア達を宇宙に流す。結局…最後までお前を巻き込んでしまったな」
「そんなのは…いいけど…」
少しでも引き留めていたいと思うのは、ただのわがままなんだろう。
子供らしい、自己中心的な考えだ。
「そろそろ行くぞ。その剣で、我らをデリス・カーラーンへ運んでくれ」
「…さよなら。…父さん…っ!」
段々と小さくなってゆくロイドの姿を見つめ、クラトスは微笑んだ。
いつかクレアが見たあの時と同じ、綺麗な笑顔で。
「…お前は、私より先に死ぬな。ロイド…私の息子よ…」
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