「ただいま!みんな!」

「しいな!無事で何よりだ!」

「おめでとう、しいな!」


里の仲間達から次々と溢れ出る賛辞の言葉に、しいなは首を振った。

戸惑う彼らに、彼女は言う。


「めでたくなんかないよ!あたし達の目の前には、新世界が広がってるんだ。頭領の興したイガグリ流を、みんなに知らしめないと」

「ああ。いつか、くちなわが戻ってきた時の為にもな」

「そうサ。…みんな、頑張ろう!ミズホの里を、立派な隠密集団にする為に!」


次期頭領として。
里の仲間として。
戦友として。

しいなはこの後、生まれ変わった世界で、くちなわと決着をつける――。


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