「…そうか。クラトスさまはデリス・カーラーンと共に、最果ての旅へ出るか…。お前達はどうするね?イセリアとやらへ、帰るのか?」

「…いいえ。私達はまた、新しい土地を目指します」

「少しでもハーフエルフ達が受け入れられるように、世界を回るんだ」


世界が一つになったからといって、人々の心がすぐに変わる訳ではない。
これが終わりではなく、ここからが始まりなのだ。

種族の、否、差別の溝は深く暗いものだから。


「苦しい旅になるのぅ」

「疲れたら、イセリアという故郷に帰ることが出来ます」

「あそこは…ボクらを受け入れてくれたから」


アルテスタの言葉に、セイジ姉弟は柔らかく微笑んだ。


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