「ただいま、お祖母さま」

「おおお!…神子さま!」


イセリアの村人と共にコレットを迎えたのは、彼女の祖母ファイドラ。
歓喜の色を滲ませる彼らに、コレットはゆるゆると首を振った。

《神子》だから。
《神子》として。

そんな言葉達には別れを告げ、コレットは言う。


「ううん。お祖母さま。私、もう《神子》じゃないよ」

「そうじゃのう…。コレット、よくやったのう」


《神子》としてこの世に生まれ、旅をして、世界を救う。
血の繋がっている家族なのに、彼女の名前を呼ぶことが出来なかった。

だけど今なら、胸を張って言える。


「…お帰り、コレット」


両手を広げたフランクの胸に、コレットは元気よく飛び込んだ。
瞳を潤ませ、けれど心からの笑みを浮かべて。


「ただいま、お父さま!!」


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