「それなら…これが最後の決戦になるわね」
「分かりました。…やりましょう」
「…世界の統合の為に」
「…そうだね」
リフィルの言葉に、次々と賛同していく仲間達。
けれどもジーニアスは、浮かない顔をしていた。
クルシスとの決戦に臨むということは、ユグドラシル…ミトスと戦わなくてはならない。
頭では敵だと認識していても、心がそれに追いつかないのだ。
「私も頑張るね」
「…コレットは残れ」
「…どして?」
「お前はマーテルの器として狙われてるんだぞ。ミズホかレネゲードに頼んで匿ってもらうんだ」
「…ロイドが…そう言うなら…。…ううん。やっぱり、ついてく!」
一度は俯いたコレットだったがすぐに顔を上げ、一行を、ロイドを見据えた。
ぶんぶんと首を振って、確固たる意思の篭った瞳が、真っ直ぐに。
「でも…」
「お前、ミトスからコレットちゃんを守り抜く自信がねーんだな?可哀相な奴。大丈夫よ〜、コレットちゃん。このゼロスさまが必ず守ってあげるから」
「ゼロス!」
「…連れてってやりな。どこに居たってコレットちゃんは狙われるんだ。そんなこと分かってんだろーが。男なら、ビシッと決めな」
「はっ!珍しくあんたと意見が一致したねぇ。ロイド、悪いけど今回はゼロスの言葉に同調するよ」
仲間達の表情を窺い、コレットの真っ直ぐな瞳と決意を受け止め、ロイドは渋々頷いた。
コレットは、天使のような笑顔で微笑む。
「ありがと、ロイド。それにみんな!」
「いよいよだな。ばっちり決めよーぜ、ロイドくん!」
「…ゼロス」
名前を呼び、ロイドはゆっくり振り返った。
鳶色の双眸が、ゼロスの蒼色を捉える。
揺るぎなく。
真っ直ぐに。
「信じてるから」
「な、何いってんだよ〜。まあ、俺さまを頼る気持ちも分かるぜ。泥船に乗ったつもりで、ど〜んと任せとけって」
「それを言うなら木の船だろ」
「そ、それそれ。んじゃまあ、行こうぜ〜」
to be continued...
(11.03.21.)
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