仲間達は皆、傷ついたコレットに駆け寄る。
しかし、切り裂かれた法衣の下から現れた、人のものとは思えぬ緑色の肌に、誰もが息を呑んだ。
結晶のような無機質なそれが、コレットの白い腕を侵食している。
「これは…!」
「み、見ないで!見ないで…!」
露わになった左肩を隠し、仲間達の視線から逃げるように、背を向けた。
震えが止んだかと思うと、コレットは力無く崩れ落ちてしまった。
気を、失ったようだ。
(…まただ)
また、コレットの異変に気づいてあげることが出来なかった。
今回も、私達に心配をかけたくなくて、秘密を貫き通したんだ。
苦しいのは、コレット自身なのに…!
(…私は、)
真実を見抜くことが出来ないなんて、なんの為に目があるのだ。
話を聞いてあげることが出来ないなんて、なんの為に耳があるのだ。
仲間の異変に気づくことが出来ないなら、なんの為に‘心’があるのだ。
(私は…!)
――どくん。
「ロイド、早く連絡を!」
「…でも、コレットが…」
「神子はまだ死なぬ!しかし、このままでは大地は死ぬのだ!急げ!」
「あ…ああ…分かった」
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