「どうして私を同行させたのだ?お前達が魔導炉を停止させるなら、私は必要ないだろう」

「クルシスは信用ならないからだ。今回はたまたま、俺達もレネゲードもあんたも、利害は一致したけど、いつどうなるのか分からないからな。監視しておくには、近くにいた方がいい」

「…なるほど。賢明な考えだ」


久しぶりに、クラトスと並んで大地を歩く。
否、並んではいないのだが。
ロイドとゼロスとリーガルが、それとなくクラトスを取り囲むようにして、一行は目的地であるイセリア人間牧場を目指していた。


(…やっぱり、いるだけで心強いなぁ…)


敵対するクルシスに属するとはいえ、かつては旅を共にした仲間。
クレアの心の奥底で、安心感というものが芽生えつつあった。


「どうやって潜入するの?門は閉まってるよ」

「俺が崖から敷地の中に飛び降りて、門を開けるよ」

「いや、私が行こう。この程度の門なら、飛び越えればいい」


クラトスの背に現れたのは、蒼色の天使の羽。
かつて一行の前に立ち塞がったあの時のように、美しいそれを広げた。

大地を一蹴りし、易々と門の内側へと降り立ったクラトス。

そう、彼はユグドラシルやユアンと同じく、天使なのだ。


「今回は時間がないわ。クヴァルの牧場と同じく、魔導炉を停止する班と、ショコラ達を救出する班に分かれましょう」

「俺は魔導炉に行くよ。…ショコラに嫌われてるし」

「では、ロイド。あなたと共に魔導炉へ向かうメンバーを、決めて頂戴」


ロイド、クラトス、ゼロス、ジーニアス、クレアが停止班として。
リフィル、プレセア、コレット、リーガルが救出班として、それぞれの目的地へ向かうことになった。


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