「二つの世界が、お互いを犠牲にしなくてもいい世界を作る為に、あんたの力を貸しとくれ」

「…承知」


闇の精霊シャドウと契約の儀式を済ませた、クレア達一行。
残るは、光の精霊ルナとアスカのみ。

しかし、全ての楔を引き抜くということは、シルヴァラントとテセアラの間に流れる、最後のマナを分断するということ。
それはつまり、契約を終えたその時点で、世界を行き来出来なくなってしまう。

あくまで仮定の話だが、可能性はゼロと言いきれない。


「みんな、どうする?旅を続けるか…それとも」

「ロイド、そんな急に結果なんて出せないよ。一晩、待ってあげよう?」

「…そうだな。俺とコレットは、メルトキオの近くでキャンプを張ってるから、決心したらきてくれ」


世界が分断されてしまう可能性があるその時に、シルヴァラントとテセアラ、どちらに残るのか。


「私は…サイバックへ向かうわ」

「ボクは、ミトスと話してくる」

「あたしは、副頭領に報告してくるよ」

「私は…パパと、アリシアのお墓に…」

「私も、アリシアの元へ」


レアバードに跨がり、仲間達は、各々の目的地へと飛び立った。


「クレアは?」

「私、は…」

「クレアちゃんは、俺さまとメルトキオ!てな訳で、出発進行ーっ!」

「え?あ、あの…ちょっと待って、ゼロ…にゃあああああ!」


了承を得ないままレアバードにクレアを座らせ、二人は、夕暮れ時の空へ吸い込まれていった。


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