「今まで何も告げずにすまなかった。私は罪人だ」

「リーガルさまは、アリシアに手をかけた罪を告白し、自ら監獄に入られたのです」

「檻の中で教皇は、コレット誘拐と引き替えに、ヴァーリを捕らえると約束した。私はそれを信じ、彼女の誘拐を引き受けた。…しかし、私は騙されていたのだ。アリシアの裁きはうけたが、私にはまだ消化出来ぬ思いがある。…頼む。お前達が私を裁くのは、エクスフィアで人の命を弄ぶクルシスを、倒してからにして欲しい」


愛する者をその手にかけ、自ら裁きをうけた。
檻の中でリーガルは、深く苦悩したに違いない。

アリシアを助ける為には、最期の願いを叶える為には、ああするしか、方法がなかったのだ。

クレア達一行もかつて、同じ思いを味わったことがある。
人の命から生まれたエクスフィアは、悲しみと、憎しみを生むだけだ。


「勿論だ。一緒に奴らを倒して、大樹を復活させようぜ!」

「プレセアはそれでいいの?」

「…ヴァーリは、アリシアの仇でもあったんですね。分かりました。私は…あなたを…仇とは思わないようにします。今すぐは…無理かもしれないけど…」

「…すまない」

「アリシアの最後の願いだから…もう何も言いません」


リーガルは、アリシアを手にかけた張本人である。
だが、それには複雑な事情が絡み合ってのこと。
人を憎むことは難しく、また、憎む方も憎まれる方も、その分の人生を損するだろう。

なにより、彼と会話するアリシアはとても幸せそうだった。

だからもう、何も…


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