「アリシア!」


リーガルの力強い呼び掛けに、アリシアが反応を示した。
墓碑の中心に埋め込まれているエクスフィアから、光が放たれたのだ。

リーガルの姿を見つけるや否や、アリシアは嬉しそうに微笑んだ。


『リーガルさま。消えてしまう前に、お会い出来てよかった…』

「すまなかった。死してなお、それはお前を苦しめているのだな…」

『いいんです。リーガルさまは悪くない…』

「アリシア…どういうことなの…?」


プレセアの問いに、リーガルは背を向けたまま答える。
否、背を向けたまま、ではなく、アリシアを見つめたまま、と表現した方が正しいだろう。


「アリシアと私は愛し合っていた」

「…それを、執事である私が出しゃばり…無理矢理引き離してしまったのです」

「アリシアはヴァーリに引き渡された。奴は、アリシアでエクスフィアの実験をするつもりだったのだ」


姉であるプレセアは、エクスフィアが馴染んだ。
ならば妹のアリシアにも馴染むはずだ、ヴァーリはそう考えたのだろう。

クルシスの輝石は、エクスフィアが突然変異して生まれるものだと、サイバックの研究員は言っていた。
エクスフィアに比べて、希少価値が高いのだろう。


「しかし、実験は失敗した」


リーガルの一声が、その場に重く、響き渡った。


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