くちなわの射程距離にあと一歩で及ぶ、その時だった。
月明かりを浴びた遺跡の模様が浮かび上がり、三つの中心に《異界の扉》が開いたのだ。
シルヴァラントへ続く道とされるそれを、利用しない手はない。
「…冗談じゃねーぞ!アホしいなが!」
「きゃああああ!」
「ロイド!来い!」
しいなの腰を抱き、半ば強引に異界の扉へと飛び込んだゼロス。
彼の言葉に、仲間達も続いた。
「クレア!何ぼーっとしてるんだ!行くぞ!」
「…へ?…わわっ!?」
かねてから待ち構えていたかのように、渦巻くそれは一行を飲み込んだ。
くちなわが後を追うも、既に跡形なく掻き消えていた。
あと僅か、気付くのが早ければ。
「くそっ!式神の反応が消えた!シルヴァラントに逃げ込みやがったか」
to be continued...
(10.12.27.)
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