「大地の力を思い知れ!」


着地と同時に握られていたスコップのような武器。ノームがそれを構えると、一行も各々の武器に手を伸ばした。
今回の戦闘に、ゼロスとクレアは参戦しない。
二人も、特に前衛として敵を食い止め隙あらば魔術を放ち、時には回復役も担うゼロスが抜けるのは大きな痛手だったが、皆も成長しているのだ。

勝利の女神は一行に微笑む。

そう確信したゼロスは、戦闘が行われている広間から少し離れた場所への移動を試みる。


「…クレアちゃん」


当然だが、眠っているクレアからの返事はない。

――とくん、とくん。

背中越しに、クレアの体温が伝わってくる。まだ子供だからか、はたまた眠っているからなのか、自身のそれより些か高いように感じた。


(あったけぇ…)


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