「当たり前サ。世界再生はテセアラでも行われてる儀式だ。あっちにだってマーテル教はある」
「…でもそんなに再生を繰り返しているのに、どうしてマーテルの器ってのは完成しなかったんだ?」
「それについては、私も疑問なの。あるいはあの救いの塔に並んでいた遺体は…いえ、今はやめましょう」
リフィルが口を噤むと、皆は顔を見合わせて頷いた。今最優先に考えなければならないことは、コレットを救う方法を探すこと。まずは出来ることから始めなきゃ…!皆の気持ちが一つになった。
「テセアラに行くんだね」
「ああ。今はそれしか道がない。それに今度こそ、俺は俺の責任を果たしたいんだ。もうコレットに全てを押しつけたりするもんか」
そう言って拳を握るロイドを見て、クレアは微笑んだ。真っ直ぐな鳶色はいつだって私達の支えになっている。きっと、今度だって…。
「テセアラへ行くには次元の歪みを飛び越えるらしいんだ。あたしが知る限り、それが出来るのはレアバードって乗り物だけだね。この基地にもありはずサ」
「よし、行こうぜ、みんな!」
以前クレア達を救出する際に地図を記憶していたのだろう。セイジ姉弟が先頭となり、難なく格納庫に辿り着くことが出来た。
一行が辺りを見回すが、それらしき乗り物はどこにも見つからなかった。リフィルが部屋の端に設置されていた機械の操作を始めると、床の一部が開け鳥の姿を彷彿させる飛行艇が出現した。
「急いで!追っ手が来るよ」
皆がそれぞれのレアバードに乗り込み、しいなから簡単な説明を受けている。クレアはコレットと共に薄桃色のレアバードに跨がった。
「おっしゃあ!待ってろよテセアラ!!」
ロイドが我先にと出発し、しいな、リフィル、ジーニアスがそれに続く。クレアは虚ろな瞳で空を見上げるコレットをちらりと一瞥し、握りを回した。強い決意を胸に、テセアラへと飛び立つ。
(…私が…ううん。みんなが絶対、元に戻してあげるからもう少しだけ待ってて、コレット…!)
to be continued...
(09.12.21.)
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